PRO Neg. Hi

 これはポジではなく、ネガフィルムです。

 おそらく「フジカラー PRO H」というフィルムをデジタルで疑似的に再現したものと思われます。

(明記されてはいないものの、FUJIFILM の公式サイトで、このフィルムと「フジカラー PRO H」の対応を示唆するような図がありました)

 

 ネガフィルムということで、ポジフィルムの「記憶色」とは異なるナチュラルな発色が特徴のようです。

 全体に、彩度を抑えたおとなしめの発色という印象です。

 コントラストは PROVIA よりも強く、ASTIA と同等くらいの印象です。

 また、ポジフィルムと異なり、シャドー部分が色かぶりしないという大きな特徴があります。

 シャドー部分の色かぶりを避けるためにこのフィルムを選択するという使い方ができそうです。

 ただそのぶん、シャドー部分が黒つぶれしやすいようにも思われますので、これは一長一短かもしれません。

 状況に応じたフィルムの選択ができると、表現の幅が広がるかもしれませんね。

 青空の色は、ごくわずかに紫っぽく感じます。ただ、Velvia のような鮮やかな色ではなく、もっと落ち着いた感じの色調です。

 

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X-T30 XF35mmF1.4 R 絞り優先AE 1/8000秒 F 1.8 ISO 160 PRO Neg. Hi

 RAW で撮って、現像段階でこのフィルムに変更しました。

 35mmF1.4 での作例です。すすきの輝きを逆光で捉えてみました。

 彩度が低く、コントラストが強調されたこのフィルムに特徴的な雰囲気が伝わりますでしょうか。

 背景の建物は逆光で陰になっていますが、色かぶりしていないのもおわかりいただけるかと思います。

 

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X-T30 XF16-80mmF4R OIS WR 絞り優先AE 1/38秒 F4 ISO 320 -0.3EV PRO Neg. Hi

 焦点距離 26mm。これも RAW で撮って、現像段階でこのフィルムに変更しました。

 16-80mmF4 での作例。都会のおしゃれなクリスマスツリーです。

 コントラストが高く彩度がおとなしめなので、重厚感のある雰囲気を PRO Neg. Hi でうまく表現できたかなあと思います。

 右奥のシャドー部分も色かぶりせず、自然な発色になっているように思えます。